2018年3/1
〈メンバー〉
パンサー・けんぞー・クラモ・中玲
こんにちは。
太陽シネマクラブ、新作映画鑑賞会の模様をご報告致します。
主事のパンサー石原です。
※週末、気持ちが乗った状態で書いている為、文章は長いです。
特に有益な情報は含まれておりませんので、写真のみ流し見した後、
次の記事へ移行されるのが賢明かと思います。
今回鑑賞の作品はこちらです。
『ブラックパンサー』
監督:ライアン・クーグラー
出演:チャドウィック・ボーズマン
マイケル・B・ジョーダン 等
もはやお馴染みのマーベルシネマティックユニバース(MCU)が手がける劇場公開18作品目にして、
2018年4月公開でこれまでのMCU作品全体の集大成的位置付けの作品ともいえる
『アベンジャーズ・インフィニティ・ウォー』の直前公開作品としても非常に注目度の高い今作。
しかし!
個人的にはそんな事よりも、
あの『グリード チャンプを継ぐ男』にて圧巻且つ圧倒的な映画脳を披露してくれた
ライアン・クーグラー監督(しかも、当時20代)の新作という事で、製作発表時から
指折り数えて公開を心待ちにしていた作品です。
しかも、こちらは4K・9P・レーザープロジェクションシステム+3Dサウンドフォーマットdts-X TM produced by GDCを備えた姶良市のシネマサンシャイン姶良(日本初、ここだけ!)にて上映との事で、
この地に根を張り営んでいく事を決意してくれた先祖に向け
人生で最大級の尊敬と感謝の念が込み上げてきました。(ありがとう)
画も然ることながら圧巻なのはその音響。
圧倒的な臨場感はもちろんのこと、まるで生音、ステージ演奏のようなBGMは
時に映画そのものを喰ってしまう程の迫力で、近年多様化をみせる劇場設備の中で、
個人的に文句なくイチ推しします。映画がお好きな方ならコレのために鹿児島観光を
計画しても損はないレベルだと思いますよ!
さて、コンプライアンス上の諸問題もございまして、しばらくは毎週水曜日の座学が主となっておりました太陽シネマクラブですが、久々の新作上映回となります。
恒例となりました、バーガーキングでのワッパーな夕食を堪能し(けんぞー・パンサー心待ち)
シネマサンシャイン姶良 screen『BESTIA』 にて、いよいよ上映開始です。
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~あらすじ~
アフリカの秘境に位置する小国ワカンダ。この高度な科学技術を誇る超文明国で、
先代ティ・チャカに代わり、その息子ティ・チャラが新国王に即位した。
彼の使命とは王として国を治めながら、漆黒のスーツに身を包んだ闇のヒーロー
「ブラックパンサー」として希少鉱石ヴィブラニウムを守ることだった。
チャカの死とそれに伴うアベンジャーズの分裂騒動にチャラがスーツを着て参加したため、
ブラックパンサーの存在を世界に知らしめてしまうことになり、
ワカンダに大きな危機が迫っていた。
・・・
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ワガンダForever!!!
そして、希望が期待を通り越して一気に信頼へと変わりました。。
ライアン・クーグラー監督Forever!!!
僕自身、MCU作品は全てではないが8~9割鑑賞済の身としまして、
近年の作品に多く見られる突飛な、安直とも取れるギャグ演出と構造上仕方ないにせよ
インフィニティ・ウォーへ繋げる為感が濃すぎる内容にいささか距離をとっており、
ライアン・クーグラー監督には前作『クリード』をも超える超絶BIGバジェットである今作で、
その翼を畳んでしまうのでは?との一抹の(大きな)不安もあり、上映前は相当緊張しました。
しかし!!!
僕らが歓喜し発狂したジョン・ファブロー監督の提唱する『新世紀の新しいヒーロー像』
を浮き彫りにするクールなメッセージを孕んだヒーローの『物語』を見事に復活させてくれた、
自分史上断トツのマーベル映画となりました。
まずは、今や映画業界随一の金満レーベルMCUの映画で監督を務める意味を分かってらっしゃる!
『お金を掛けるべき所にしっかり掛ける』という点。
ワガンダ国それぞれの部族、そしてその一人一人に至るまでしっかりとデザインされた衣装や、雄大なアフリカの大地をこれでもかと贅沢に空撮した圧巻の自然美と超高度文明ワガンダ市内とのギャップが最高です。
そして、その結果説明無くして鮮やかに生まれる世界観。
ワガンダ国の各部族にはそこにいるだけで明確な個性を発する統一感がパッケージされ、それぞれの
部族を取り仕切る中心人物の魅力的なキャラクターは後半へ向かうに連れ確実に物語の推進力へ
変わって行きます。この5部族だけで各スピンオフ映画が見たいくらいです。
個人的にさらに圧巻だったのは、そのアクションの『構造』
血湧き肉躍る『部族抗争』、現代アクションの主流である『カーアクション』、そしてSF要素満載の『スペースオペラ』この3大アクションが何の違和感もなく、1つの物語上にしっかり重要な要因として登場し、その全てが見る側(アクション好き)をしっかり高揚させてくれるクオリティーであるという、、、奇跡。。
それもこれも、セリフだけではなく風景や音楽、小物に至るまで視覚、聴覚すべてに訴えてくる演出の巧みさとそれぞれにスマートに配置された伏線と回収のループ、そして何よりその全てを心地よく繋げてくれる鑑賞する側へのインフラ整備の手腕が尋常ではない所が原因かと思います。
まだまだ、魅力の序盤、ほんの、本当にほんの一部しか紹介出来ていませんが、
(もちろんキャストも最高!! マイケルBジョーダン、一生監督とコンビでやってくれ!や)
(随所に見られるドラゴンボールオマージュ演出(設定含む)も最高に楽しいし誇らしい!とか)
(近年お決まりの『マーベルギャグ』演出のパロディシーンでニンマリ!!とか)
(タイトルの出方、好物過ぎてそこだけのDVD先に出してくれ!買わせてくれ!みたいなのも)
最後に、
映画を通して僕が最も重要視している物語の内容、いわゆる『メッセージ』の部分についてあくまでも個人の、個人による個人的な感想を述べさせて頂きます。
※※※ここからはネタバレを含みます。本編未視聴の方はここでお別れです。
今回この映画と通してライアン・クーグラー監督が発するメッセージ、
それはやはり、物語終盤での印象深いセリフである、
『近隣で大きな問題が発生した時、橋を掛けるか壁を立てるか』という言葉にあると感じます。
これは、無論アメリカのトランプ政権に対する強いメッセージであるとともに、我々の日常生活に無意識のウチに根付いてしまっている非常にサイレントなダークサイドではないかと感じました。
『ウチはウチ、他所は他所』という考え方はその裏に『無関心』という最も卑怯な発想を孕んでいます。
自分の父親を含む先代達のその考え方の危うさに気付いたティ・チャラは新国王として、
これまで頑なに守り、隠し通してきたワガンダ国の超高度な文明を初めて他国に共有する決断を下します。
同時にそれは、これまで守り続けてきたワガンダ国全体の平和を揺るがす危険があるという事も十分に理解しての決断です。
ティ・チャラは、罪深いのは『何も出来ないこと』ではなく『出来るのにやらないこと』である。という結論に至ったのです。
生活はすべて次の二つから成り立っている。
したいけれど、できない。
できるけれど、したくない。
ドイツの有名な詩人ゲーテも、150年以上も前にこう唱えているようですね。
自分自身に問いかけ背筋の伸びる思いと、
ライアン・クーグラー監督と同じ時代に生きる喜びを胸に、
まだ、冬の寒さの残る姶良路を軽快に踏みしめながら
重久国に帰還したパンサー石原でした。。